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イラク 開戦決定前夜に思うこと

ちょうど今頃、英米スペインの首脳が、イラク対応を議論しています。明日の早朝には、何らかの発表があるでしょう。その内容、もちろんまだわかりませんが、おそらく、英米は国連決議をあきらめ、単独でイラク侵攻を決意するというものでしょう。

投資家という奴は、とことん楽観主義者にできているもので、イラク侵攻が遠退いたと言っては株を買っていたくせに、今度は、侵攻が始まれば株価は上がるだろうと言っています。しかし、これまでの市場を見れば、NYも東京も、イラク侵攻は株価にマイナスです。

イラク侵攻不可避が決まるのは、明朝の発表か、その夜の国連総会かわかりません。しかし、そのいずれかで、イラク侵攻が固まる公算が極めて高い。東京市場は、月曜か、NYの反応を見ての火曜かに、大きな下げを演じるでしょう。

一部に、株価の暴落は、竹中氏がひそかに狙っているのだ、と囁かれています。株価が暴落して、銀行が決算不能になると、銀行が竹中氏に協力を求める局面が生まれ、銀行への公的資金注入、国の銀行経営への介入により、金融改革を一挙に進めようということです。

この作戦、たぶん失敗するでしょう。株価が下がって困るのは、銀行ばかりではありません。一般の企業も、値下がりした株を大量に抱えています。株価が下がれば、銀行以外の企業に対しても、経営を困難にします。世に潰れそうな企業はいくつもありますので、たぶん、銀行よりも先に危機を迎える会社が現れるでしょう。倒産企業が増えてくれば、政府も手を打たざるを得ない。

悪く考えれば、銀行のさじ加減一つで、不振企業の一つや二つ、簡単につぶすことができますから、潰れそうな会社で、社会的影響が大きいところを選んで、銀行が意図的に潰しにかかるかもしれない。

いずれにせよ、株価下落の社会的影響が深刻になれば、政府日銀も株価対策に走らざるを得ず、銀行の危機も回避される、そういう結末になるんじゃないでしょうかね。

イラクの問題、テロの問題、一番の解決策は、経済的な豊かさと、コミュニケーションにあるのでしょう。一つのモデルは、東西ドイツの統一です。その不可能を可能にしたのは、テレビ番組を通した情報の流通であり、西側の豊かさが東側に知れ渡ったことによります。

アラブのもう一つの問題は、イスラエルの存在であり、米国のイスラエルに偏った政策にあります。米国は、一般に言われているほど、公明正大な国家ではなく、その政策決定には各種の団体が影響力を与えているといわれます。その一つの例は、銃規制に反対するライフル協会であり、米国に根を下ろしたユダヤ人社会です。

米国は、他国の不正を糾弾する前に、自国の政策が、真に、正義の元に行われているかどうか、一度襟を正したほうが良いでしょう。

まあ、日本も、もちろん、そうすべきなんですけどね。