適応が悪い、なんてことを前回書いてしまいましたけど、今度は反対側から考えてみましょう。
進化のメカニズム、いくつかの要素から成り立っています。
競争、勝ったものが生き残る、というところが一番注目されるんですけど、競争が起こるためには、多様な種が存在しなくちゃいけません。競争に勝った種が子孫を増やす、というメカニズムも必要ですね。
その過程で、多様性が維持されなくてはいけません。つまり、負けた種も、一部は存続するし、勝った種の子孫の中にも、いろいろと変わった種が含まれていなくちゃいけません。増殖の過程で遺伝子の交錯が起こること、突然変異があることなどがそのメカニズムですね。
こうしてみると、多様性の維持と競争、この二つが、進化のキーワードといえそうです。
このような進化のアルゴリズム、遺伝的アルゴリズムと呼ばれ、ソフトウエアにも利用されています。民主主義や市場経済、あるいは学術社会も、多様性の維持と競争がありますね。
だけど、このような世界、強者がすべてを支配する、という危険性をはらんでいます。一党の独裁とか、一企業による市場の独占、大先生の学説に異議を唱えにくい、などなど、、、これが、過剰適応の状況でして、そうならないように、競争が維持されるメカニズムを確保しておくことも、また大事なこと、なんですね。