もう10年以上前のこと、ロス郊外、ディズニーランドの近くに行ったついでに、ナッツベリーファームという遊園地、ってーか、テーマパークを覗きに行きました。
これ、おなじみのキャラクター、チャーリーブラウン(だったっけ)<スヌーピー、、、の故郷でもあるんですけど、なんか、絶叫マシンの多いこと、ちょっと私には不向き。でも、その中に不思議な通りがありました。題して、開拓時代の町並み。だけどコレ、汚いですねえ。今の時代にこんな町並みがあったら、普通の人、ちょっと寄り付きませんよ。
でも、考えてみれば、建国当時のアメリカ、ヨーロッパを追い出されるように、貧民に近い人たちが移住してきたんですね。だから、超貧しいのは当たり前、そんな暮らしを忘れないように、という意味かもしれませんね。この展示。
最近「××のDNA」なんて言葉を良く使いますけど、米国人のDNA、開拓時代の苦しい生活が、きっと、刻み込まれているはず。日本人からみると、狂気の沙汰としか思えない銃器の野放し、自然や悪党と戦っていた開拓時代の感覚が抜け切れていないとすれば、まあ、理解できなくはない。とっとと止めるべき風習ではあるけど。米国がヨーロッパ諸国を抜いて世界の大国になった背景には、おそらく、この貧しい時代の記憶が、成長の原動力となったのでしょう。
一方、日本の高度成長の裏側にも、戦後の苦しい時期があったはず。ただ、米国が建国を出発点としているのに対し、日本は戦後を忘れたがる。この点で日本と米国、大きく違う。もちろん、日本には長い長い歴史があるのですが、戦後の苦しい時代、忘れてしまったのでは、成長の原動力、なくなってしまうんですねえ。
ふーむ、日本に作らなくちゃいけないテーマパーク、それは焼け跡。太平洋戦争直後の東京をテーマに、なにか、できませんかねえ。焼け跡派なんて文人もおられたことだし、現物を知る人が生きているうちが焼け跡テーマパークを作る、最後の機会じゃないかと思いますよ。