ものすごく巨大な計算機の話というのを昔の日記に書きましたけど、コレで本当に「意識する機械」ができるものなのかどうか、ちょっと考えてみました。
この巨大な計算機、「地球シミュレータ」といいまして、地球環境問題解明のため、計算機で大気の動きなどを計算する、シミュレーションを高速に行う目的で作られたもの。
CPUは8GFLOPSのチップが5120個、主記憶10TB、ディスクはおよそ600TBですね。
さて、レイヤ7によりますと、ってコレ、自作でして、HPからアクセスできるんですが、
相生教授、馬場教授に代ってレバーを操作し、脳のあちらこちらの映像を眺める。
「これを計算機処理すれば、ニューロンの接続情報を完全に読み取ることができますね」
「読み取って、どうされますか?」馬場教授、悪戯っぽく微笑む。
「電子的に再現します」
「そりゃあ無理でしょう。人間のニューロンは、百四十億個ありまして、それぞれが平均八千の結合部を持つといわれてますから。大雑把にいって百兆の接続部があるんですよ。実際には、かなりの個体差があるんですけど、いずれにしても、人工的に作り出すには、少々複雑すぎるんじゃあありませんか」
「接続情報の記憶には、接続部一つあたり十バイト食うとして、一ペタバイト少々準備しとけば良いわけですな」
「一ペタっていうと、一テラの千倍、一ギガの百万倍ですね」
「そう。だから、十ギガバイトのメモリーを持つプロセッサボードを十万枚接続すれば、人間の脳と同じ規模のニューラルネットを実現できます。プロセッサボード一枚で十四万個のニューロンをシミュレートするわけですが、プロセッサボードの処理速度は、ニューロンの百万倍ほどありますから、ニューロン十四万個のシミュレートなど、わけありません」
ふむ、メモリ1ペタね、つまり、1000TB必要でして、地球シミュレータの10T、ちょっと足りない。ハードディスクを使って、小さなメモリで大きなメモリを必要とする計算をする、仮想記憶という技術もあるのですが、ディスク600TBでは、ちょいと不足。
地球シミュレータ、意識する機械の要求スペックの1/10~1/100と言ったところでしょうか。まあ、ハードは年々倍のスピードで技術改良が進んでいますから、3~10年先には、意識する機械、現実味を帯びてきそうですね。
地球シミュレータ、稼動開始は2002年2月末と。ふうむ、意識する機械の実現、それほど先の話でもなさそうです。