ファイル共有ソフトでゲームソフトをネットに流した少年がソフト会社に与えた損害、13億と。これ、下手をすると、損害賠償の請求がなされるかもしれません。ネットでは、多数のコピーが瞬時に広まりますから、不正なコピー、損害が拡大しやすい。で、本日は、著作権、やって良いこと、悪いことについて一言述べておきましょう。
まず、著作権は、特許権と同じ、知的所有権、と呼ばれる権利なのですが、所有権といっても、形のあるものに対する所有権ではない。この日記のコレまでの言い方を踏襲すれば、物語、に対する所有権なんですね。法律用語では、形のあるものを指す有体物に対し、無体物と呼んでいます。
で、著作権の保護するものは「表現」、文章や絵や音楽、プログラムなどなど、知的な活動で生み出されたコンテンツ全般がコレに該当します。著作権は創作と同時に発生し、特別な手続きも要りません。だから、この文章にも、私の著作権があるわけですね。
著作権は、英語で「コピーライト」と呼ばれるように、複製に対する権利が中心、他人の著作物を複製したり、配布(送信)したりする際には、作者の許可が必要です。コレ、お金を取って行うときはもちろんなのですが、タダでも駄目ですよ。
一方、著作権には制限規定がありまして、特定の軽微な複製は、無断でやっても良い。
その一つが「私的複製」でして、家庭内で個人的に使うなら無断でコピーできます。但し、ネットは家庭外、友人とのやり取りも駄目です。
記事の一部なら「引用」もできます。出所を明らかにするなどの条件付ですが。
さて、ネットは新しい技術なので、法律の対応は遅れています。そこで、いくつかの微妙な問題が発生するのですが、私の解釈は以下のとおり。
まず、ウエブ(ホームページ)にリンクを張る行為ですけど、記事のトップにリンクを張るのはOK,個々の素材にリンクを張るのは不可、つまり、記事で使われている写真や絵などに直接リンクするのは駄目だと思うのですね。
コレ、やっていることはURLを埋め込んでいるだけなのですが、出来た結果は、リンク先の素材の無断利用、ネットで公開してはいけません。
ま、トップページしかリンクを張っちゃ駄目、という意見もありますけど、このメッセージの最初のように、記事のトップにリンクを張るのは引用、URLは出所の明示でもあります。だから、この日記を引用するならこのページにどうぞ。
日記をプリントしたりファイルに落として家庭外に持ち出すことは、法的には不可。でも、コレを本にして出版したりするのでもない限り、大目に見るのが普通です。法解釈と実務の間には多少の開きがあるのですね。でも、うるさ方が文句をつける可能性もありますから、ご注意ください。
URLを教えるのは事実の伝達、著作権とは関係ありません。メイルで教えるのも可。でもURL、クリックすれば本体が見えるわけですね。だから、本体を送ったのと変わらない。そもそも他人に見える形にしてこういう所に置いている以上、それがインターネットで流れようと、フロッピーで流れようと、たいした違いはないのですね。
一方で一番まずいのは、販売されているコンテンツを勝手にネットに載せること、これ、無償であっても、有償で売った場合を想定して損害賠償取られます。このような事件は過去にもあり、原告勝訴。したがって今回の少年にも、民事訴訟が起こされれば、13億払えという判決が下る可能性が多分にあります。こう考えると、ウィニーは極めて危険なソフト。使っているヒトはご注意のほどを。