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ライブドアの台風一過

ライブドア、というよりは東証のシステム問題も峠を越して、台風一過、とでも申しましょうか。の本日は、これまでとは打って変わったすっきりとした相場になりました。日経平均の終値15,891.02は+240.02(+1.53%)の大幅高です。

ライブドア、わずか1時間の取引でも、1億株を越す大商いで、前日比-24(-17.52%)の113です。日枝さん、ナベツネ、北尾さんと、おなじみの顔ぶれが、色々な発言をしています。が、ここでは論評はいたしません。その代わり、でもないですが、日経が伝えたクラサワ買収の顛末につき、少し考えて見ましょう。

まず、2003年3月、ライブドアはクラサワコミュニケーションズに買収話を持ちかけます。ライブドアの株式交換の申し出でに対し、8億の現金なら買収に乗ると、クラサワの回答。で、一旦株式交換で買収した上で、クラサワの得たライブドア株を投資事業組合に売却するという提案をライブドアからした、というわけです。

この投資事業組合、第三者の組合、とのライブドア側の説明で、おそらくはHS証券あたりが絡んでいるのではないかと思いますが、資金を出したのは多分ライブドア。で、百分割の結果値上がりした株を投資組合が売り抜けて、ライブドア側に利益が渡った、というのがこの『錬金術』の筋書きなのですね。

さて、これのどこがおかしいのでしょうか。まず、第三者の投資事業組合、というのが、実体はライブドアそのものであれば、これは確かにおかしな行為です。まあ、闇の公募増資、といったところでしょうか。これは、この事業組合の実体が、独立したファンドなのか、実はライブドアなのか、という点が最大の問題でして、私の推測では、少なくとも形式的には別、という形にきちんとしていたのではなかろうか、と思うのですね。

次の問題は、百分割で上がった株を売り抜けた、という点。これも、投資事業組合が実はライブドア、なら大問題。別組織なら問題はないはずです。でも、一つの疑問は、どうして百分割した株を売り抜けることができたのか、という点でして、ひょっとすると、ホリエモン、この投資事業組合に貸し株をしていたのではないでしょうかね。

この貸し株、という奴、金融危機の頃から良く耳にするのですが、安定株主の株券がファンドに貸し出されて、突然マーケットで売られる。これは、正当な行為ではない、と思うのですね。それも、普通は、MSCBの発行など、株価の下落原因を事前に知りえるファンドが手に入れる。株価操作まがいの行為が日常茶飯事のように行われているのが東京市場、なのではないでしょうか。ま、しかし貸し株は皆がしてること。ホリエモンをこの点で責めるのは、ちと難しそうですね。

あとはこの百分割、なのですが、異様だけど合法。そもそも、一株あたり純資産5万円以上、という縛りを外したのは東証自身、なのですね。どうしてこんなことをしたのでしょうか。まあ、個人株主を誘い込んで取引を活発にしたかった、のかもしれませんけど、過ぎたるは及ばざるが如しの結果、と相成りました。これ、元に戻した方が良いのではないでしょうかね。面子に拘っている場合ではないように思うのですが、、、