ABEMA TIMESの4/19付けBLOGOS記事「早稲田政経の入試で数学必須が話題に…」にコメントしました。
GoogleやAppleは数学の博士号を持っている人をどんどん採用している
これは、ある意味あたり前ではないですか。情報処理の世界は、一から十まで、数学の上に成り立っていますから。
私がびっくりしたことには、強力な誤り訂正符号に「リード・ソロモン法」があるのですが、これ、ガロア体の上に構成されている。ガロア体の四則演算をしながら、ユークリッドの互除法などをやって誤りの箇所を特定しているのですね。ガロア体などというものが実用的に使われているなどということは、これを見るまで、想像すらできませんでした。
まあこれ、実は私にもちんぷんかんぷんなのですが、今井さんの「符号理論」あたりにはガロア体(を多項式に拡張した体)を使った計算式とガロア体の演算法則が示されていますので、C++にガロア体というクラスを定義して、式を丸写しにすると、なんとエラーコレクションのプログラムができてしまう。まあ、数学というものが全くわからなければ、丸写しも困難かもしれませんけど。
エラーコレクションは、長距離通信や高密度情報記録に欠かせない技術なのですが、それ以外にも、素数の性質や楕円関数論が暗号化には使われており、何をやるにも数学屋の力が必要です。その上この世界は、わかる人とわからない人の差が絶望的に大きいのですね。まあ、われと思わん人は、数学にチャレンジすると、幸せになれるかもしれません。
がんばれ