和田政宗氏の8/3付けBLOGOS記事「日本新聞協会『電波オークションに懸念』通信の発展を阻害するのか?」にコメントしました。
米国は、クリントン・ゴアの時代にNII(ナショナル・インフォメーション・インフラストラクチャ)という文書を発表して、来るべきネット時代のための通信行政の大枠を宣言したのですけど、その中に、地上波の放送は電波を返上してファイバーに移行し、空いた電波枠を移動体通信に割りあてるべきとの一項目があったのですね。
インターネットが整備された現代、何故に固定受像機への放送に地上波が必要なのか、これは非常に不思議なことなのですね。我が国でも、地上波デジタルの難視聴地域対策として、ネットを利用して地上波放送を送っているのですが、なんと県別にプロテクトを掛けている。何故にこんなことをしているかといえば、今日の放送局は県域免許制の下で、独占体制が敷かれている。放送の自由を守るのではなく、放送への新規参入を阻害することで、既存放送局の利益が維持される仕組みになっているのですね。
既に、ネット経由での放送はあちこちで行われており、そろそろ、地上波による放送は中止して、全面的にネットに移行するのが良いと思います。そうすれば、弱小放送局も、大手放送局と同じ土俵で勝負できる。
地上波放送の県域免許制は、放送局の独占的利益を守るとともに、許認可する官庁と政治家の采配の余地を生み出し、各地の放送局の経営に地元有力者の関与を可能にする。これは、クロスオーナーシップや記者クラブと並んで、権力と癒着する我が国のジャーナリズムの前近代的状況を生み出す、一つの要素となっているのですね。
オークション制導入は、この悪弊を打ち破る第一歩でしょうし、その先にあるものは、地上波放送局の廃止、これで我が国も、言論の自由が確立するというものです。
返信がついております。
Zakana Ao
個人的には
「ネットに全部おんぶに抱っこ」
ってのはあんまり好きじゃないですね.いわゆるGAFAと呼ばれている連中が
「中立」である保証はまったくなく,
むしろ必ず偏るし既に偏ってるかもしれないと考えるべきです.結局の所,癒着する相手が国なのか巨大企業なのかの違いにしかならないかと.
あと効率的だからと何か一つに頼り切りになる危険性は今まで散々経験してきましたから.
(それこそ,ネット以前は新聞とTV局がタッグを組んで
情報を隠されたら,それを看破する方法は私達になかったわけですし.)ただ,そういう考えからしても多様性を生む
オークション制度には大賛成です.瀬尾 雄三
Zakana Ao さん:ネット=GAFAではないですよ。ネットとは、インターネットプロトコルで相互に通信する個々の組織(サイト)の集団であり、誰がコントロールしているわけでもない。
個々の組織の中のネットワークがLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)なりWAN(ワイド・エリア・ネットワーク)で、各組織が互いに接続し合うネットワークがinternet、その接続が全世界をカバーした結果Internetなりthe Net(つまりはインターネット)となった次第です。
インターネットの上で、たとえばYouTubeが運用され、NetFlixがビデオプログラムを流す。ではだれがそれを物理的に動かしているかといえば、たとえばNTTがファイバー網を管理運営しているし、その他の企業もいろいろとやっているわけですね。
そういう意味では、インターネットは、非常に開かれた空間で、勝手なことができるわけではない。そこで主導権を取ろうと思えば、優れた技術を押さえ、優れたコンテンツを流すしかない。
地上波がむしろ、特定の企業集団の独占物で、中立ではないし、「偏っている」との批判は常に受けております。それは、権力と癒着しているといっても、いわゆる御用新聞ではなく、赤新聞に近い存在だといえば判りやすいでしょうか。つまりは、総会屋の出版物的な色彩がある、ということですね。これは、日本社会の後進性の一つのシンボル的部分でもあります。
オークション制導入