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池田信夫氏の8/3付けアゴラ記事「政府はコロナ療養方針をどう「大転換」したのか」へのコメント

池田信夫氏の8/3付けアゴラ記事「政府はコロナ療養方針をどう『大転換』したのか」へのコメントです。アゴラは私のコメントをブロックしておりますので、これはブログ限定記事です。


池田氏のアゴラ記事にはおかしいものもあるのですが、この記事に関しては大いに同感いたします。その主張は大きく分けて次の二点です。

第一の主張は次の通りです。これは、理屈の上では池田氏の主張は正しいのですが、例によって理に走りすぎていると言いますか、実質的にはマスコミ各社の報道はそうそう間違ってはいないのですね。

きのうから政府のコロナ療養方針について誤報が相次いでいる。毎日新聞とTBSは「中等症も自宅療養に」という見出しをつけたが、きのうの関係閣僚会議後の首相談話の療養方針にそんな言葉はない。

ここで「誤報」と池田氏が主張されているのは、「中等症」という用語を報道各社が用いているのだが、首相談話にはそのような用語を主語としては語られていない、という点なのですね。これは確かにその通りなのですが、次の池田氏の主張をみますと、これを誤報とまで言い切るのは、少々言い過ぎであるように思われます。

しかし「療養方針の大転換」という表現は、別の意味で正しい。コロナは昨年1月にドタバタで「指定感染症」に指定され、無症状も軽症も全員入院という感染症法の「2類相当」の扱いになった。これは当時としてはやむをえなかったが、医療現場の負担になり、医療の逼迫が起こった。

このため安倍前首相はコロナの指定感染症扱いを緩和する方針だったと思われ、昨年8月に退陣するとき、そう示唆したが、菅首相は元の方針に戻ってしまった。厚労省は全員入院の原則を変えないまま、なし崩しに入院患者の基準を緩和して対応した。

...

今回の療養方針は、今までの原則入院から原則自宅療養への転換だが、これはインフルなどの5類感染症と同じである。今回の療養方針は、コロナの実質的な格下げだが、病院ごとに「重症化リスク」の基準が異なるのはよくない。コロナの新型インフル等感染症の指定を解除して5類に格下げし、医療現場の負担を軽減すべきだ。

というわけで、最後の引用部から明らかなように、今回「療養方針」を「今までの原則入院から原則自宅療養への転換」しており、首相談話によれば「重症者、中等症者、軽症者」のうち、「重症患者や重症化リスクの特に高い方には、確実に入院していただけるよう、必要な病床を確保し」「それ以外の方は自宅での療養を基本」とするわけですから、「中等症も自宅療養に」 とする毎日新聞やTBSの報道も、内容的には間違ってはいないことになります。

と、ここまでの記述は、池田氏の主張に対する反論のように思われるかもしれませんが、この程度のおかしな主張は今に始まるものでもなく、軽く受け流しておけばよいような話なのですね。

ポイントは、重症者以外は入院などさせる必要はない、という点で、これは2類の扱いではなく5類の扱いであって、そうであるなら最初から5類指定が正しい、というもの。こうすれば、医療機関の対応もはるかに楽になり、医療崩壊のリスクは大きく低下するのですね。こちらに関しては、池田氏の主張に私も同意いたします。

ただ、機械的に2類だ5類だと言ってみても始まらないことも一方にはあります。つまり、新型コロナは、特にデルタ株の登場により、感染力が非常に高まっている。このため、油断をすると感染拡大につながってしまう。そういう意味からは、原則隔離が好ましい。

今回の首相談話でも「家庭内感染のおそれがあるなどの事情がある方には、健康管理体制を強化したホテルを活用」するとしているのですが、家庭内感染にとどまらず、可能な限り多くの陽性患者(他人に感染させる恐れのある人)をホテルなどに隔離することが、感染拡大を防止する上でとるべき対策ということになるのではないかと思います。

そういう意味では、単純に2類を5類に格下げするだけではなく、隔離政策もきちんと実施することが肝要かと思います。

1 thoughts on “池田信夫氏の8/3付けアゴラ記事「政府はコロナ療養方針をどう「大転換」したのか」へのコメント

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