中村ゆきつぐ氏の9/23付けBLOGOS記事「山火事理論改 N浦さんとの違いはここ」にコメントしました。
基本再生産数が2.5の場合、60%の人が感染しない状態になれば、実効再生産数は2.5 x (1 - 0.6) = 1.0となって、感染は縮小に向かう、というのが自然免疫に頼る考え方で、山火事理論もこれに近い考え方なのですね。
コロナ禍の当初、英国他がこれに頼ろうとして、犠牲者の多さ故に挫折しております。西浦理論の死者42万人も、自然免疫のみに頼った場合の見積もりで、この予想は外れた形なのですが、これは我が国が各種対策を打ったからなのですね。
感染者数の推移に関して多くの予想なり説明理論が出されているのですが、多くの理論は現象を単純化しすぎております。感染者数の推移を決めるのは実効再生産数であり、これが1より小さければ縮小再生産、1より大きければ拡大再生産となり、数字が1から離れるにしたがってその速度が増加いたします。
基本再生産数が2.5の場合の実効再生産数は、2.5 x (1 - a) x (1 - b) x (1 - c) x (1 - d) ….という掛け算で、様々な感染防止効果(a, b, c, …)の積が効いてきます。現在の日本で効果的なのがワクチンで、接種率50%、効果90%とすれば45%の人が感染をまぬがれることになります(a = 0.45)。これには、すでに感染して免疫を持っている人も追加されるのですが、我が国の累積感染者数は人口の1.3%とさほど大きな値ではありません。
感染原因が咳の際の飛沫で、マスクが放出30%、吸い込み50%カットしてこれがストレートに感染防止効果となるなら、b = 0.3、c = 0.5となりますし、人流が10%抑制されれば d = 0.1ということになる。また、デルタ株の基本再生産数が9.0であるなら、上の式の2.5は9.0に置き換えることになります。 そう計算しますと、専門家の話もおよそ現象に対応していそうです。
ワクチン頑張ってね