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PRESIDENT Onlineの10/6付けBLOGOS記事「『脱炭素はEUと中国の策略』世界一環境に優しい日本の製造業を…」へのコメント

PRESIDENT Onlineの10/6付けBLOGOS記事「『脱炭素はEUと中国の策略』世界一環境に優しい日本の製造業を...」にコメントしました。


日本がガソリン車に拘ってEVに背を向けることはできるかもしれないけれど、欧米への輸出ができなくなることは覚悟しなくてはいけない。中国もそうする可能性も高く、他の国々にこれが波及しないとも限らない。

日本が一国だけで成り立つなら何でも好きなことができるのですが、世界との交易で成り立つ以上、世界の流れに背を向けることはできないのですね。

そして、雇用の問題にしたところで、売れないガソリン車を作り続けるよりは、仮に現在技術で負けていたとしても、売れるEVを作るしかないのではないでしょうか。

我が国の自動車産業は、資源・環境問題という70年代のトレンドに見事に乗って国際競争力を付けた。その時流れに背を向けた米国自動車産業は衰退してしまったのですね。その愚を繰り返しちゃいけないのですね。

既にやらかしてしまった脱炭素の流れに乗り遅れたという意味で、我が国が太陽電池や風力発電装置分野で完全に遅れをとってしまったことの意味をよく考えなくてはいけない。これらが巨大産業へと成長していけば、それに伴い雇用機会も増えたはず。新しいトレンドを的確にとらえて我が国の産業構造をダイナミックに変えていく。そんな能力が、変化の激しい今日、日本の産業をリードする人たちには、求められているのでしょう。


どら ねこ

始めにEVありきは止めましょうよ、技術の可能性・多様性の芽を摘むのは止めましょう、と言う話だと思いますので、米国の轍を踏むこととは少し話が違うように思います。

それにEVもそうですし、再生可能エネルギー関連もそうなのですが、産業の裾野に広がりは無いので、いくらそれらが巨大産業になっても、雇用は広がりません。

もちろん世界の流れに一人逆らってまで今の産業構造を維持することは難しいと思いますが、まだその流れが定まらない内にあたら強みを投げ捨てて欧州・中国の思惑に乗っかる必要は無いのでは、と言うのが元記事の趣旨と理解しました。


瀬尾 雄三

どら ねこ さん

EVは、たしかにビジネス的にはテスラが先行しているし、欧州が大いに牽引していることも事実です。でもよく見てみれば、この分野も、技術面では我が国が先行していると言えないこともない。

なにぶん、EVの重要パーツは電池とモータで、リチウムイオン電池で我が国は先行しておりますし、モータの要である希土磁石も、かつての住友特殊金属のネオマックス(ネオジ・鉄・ボロン)が先行していた。EVに近い、ハイブリッド自動車は、ご存知トヨタが先行してましたしね。

日本は、実は素材技術に強いのですが、この先のEVに期待される素材技術も多々あります。CFRPなどの軽量高強度素材は日本が先行しておりますし、ひょっとしてあるかもしれない超電導技術のモータへの利用などということがありますと、関連技術で日本の研究者やメーカがひしめいている。素材自体もそうですけど、冷却装置に関しても、スターリング冷凍機や磁気冷凍の世界で、我が国も世界の第一線にいることを忘れちゃいけない。

こういう様々な先端技術がEVの周辺にあるわけで、EV関連研究という一つの塊をたとえば文科相が取り上げて巨額の研究費を投じるなどといったやり方はあるのではないかと思います。逆に、EVに背を向けることは、多くの可能性の芽を摘んでしまうことになりそうです。ここが正念場と、心得なくてはいけません。


どら ねこ

瀬尾さん

ご返信、ありがとうございます。

EVに背を向けろ、とは私も申し上げる積りはありませんし、そこにビジネスチャンスがあるなら突っ込んでいけば良いと思います。

ただ、EVやりますイコール内燃機関捨てます、ではないと申し上げたいですし、EV化が避けられなくなった場合の雇用をどうするか、を少なくとも政府は考えておくべきだと思う次第です。

同じ車両生産台数なら構成部品点数は大きく減りますので、必然的に雇用はかなり減ります。それ以外の産業が幾ら巨大化してもそれを吸収するのは困難でしょう。そこまで考えての政策であって欲しいものだと思います。


瀬尾 雄三

どら ねこ さん

内燃機関は必要です。乗用車はEVになるとしても、大型車は難しい。バスは路線に沿って給電ラインを設けるとしても、トラックはLNGか水素エンジンになりそうです。飛行機は、現在、電動化の検討がされてますけど、こちらもふつうは燃料燃やして飛ばすことになるのではないかと思います。

最後の大物が船舶で、こちらは小型核融合炉などというものが実用化されればよいのですが、そうそう簡単にできるわけもなく、まずは、ディーゼルなりガスタービン、ひょっとしてスターリングエンジンが出てくるかな、といったところです。

内燃機関にだってディスラプティブ・イノベーションがありそうな気がしますし(現在は捨てているエネルギーが結構ある)、まだまだこの技術、改良の可能性が大ありです。それに、この手の「動く」技術って、なんか、ロマンがあるんですよね。

あ、それから、乗用車がEV化しても雇用が失われるわけではない。かつて人力車が市電にとって代わられた時、車夫たちは車会党を結成して市電反対運動をやったのですけど、結局は敗北、車会党は社会党に合流したという歴史があるのですが、気の利いた車夫は市電の運転手という職を得たと。自動車会社の社員も、ガソリン車がだめなら電気自動車を作るだけの話。そのくらいの知恵を廻さなくてはいけません。


どら ねこ

瀬尾さん

ご丁寧にありがとうございます。

内燃機関の技術的可能性、私もまだまだあると思っています。
また私はラジコンをやっているのですが、モータと違い模型用エンジンは常にご機嫌を伺っていないとへそを曲げることがあり、あたかも生き物のように感じられることがあります。その意味でも「ロマンがある」と言うご意見には大いに同感するものです。

ただ雇用についてはガソリン車の代わりにEV車を作るだけなら確実に雇用は減る(車両メーカーはまだしも、部品メーカーが激減します)と言う点だけご理解頂ければ幸甚です。

従い雇用の維持を自動車産業にだけ押し付けるなら、生産台数を思いきり増やして再び世界に輸出するようなことでもしない限り無理でしょう。(デフレで賃金水準が相対的に落ち込んでいる今の日本なら製造業回帰もあるかも?)
また今の自動車産業に匹敵するだけの裾野を持った産業を生み出すか、そこそこ雇用が期待できる産業を複数生み出せない限り、減った雇用を補うことは無理です。

私は何も環境・エネルギー政策を「変えるな」と言っているわけではありません。「変える」なら政府もそこまで目配りしてもらいたいと思います。

特に瀬尾さんに反論する意図は無く、少し自分の思いのたけを書かせて頂きました。乱文はご容赦ください。


瀬尾 雄三

どら ねこ さん

ガソリンエンジンの部品を作っているところは、たしかに雇用が減ります。でも、この手のことは、技術の変化に伴って普通に生じていたことです。

レコードがCDになった時は、レコード針のメーカーは廃業の危機にさらされる。ブラウン管から液晶に技術が移行した時にはガラスメーカが軒並み困った。GEが蛍光灯を開発した時には、白熱電球の工場の償却が終わるまで技術を伏せたなどという話もありました。電卓が出てくれば、そろばんや歯車式計算機(タイガー式)は廃れる。石油が使われると炭鉱が困る。市電ができれば車夫は失業する。云々、、、

結局のところ、技術の変化に伴い、産業が浮沈することは避けられないと考えるしかありません。そして、我が国の雇用を維持したければ、我が国の産業構造をその時代のメインストリームに合わせるしかない。日本経済が衰退してしまったら、雇用も糞もないのですね。

ただね、ガソリンエンジンをやっている人は、どうしても、自分の仕事を肯定的に見てしまう。これは当然のことだし、そうでなければいけない。だけど、そこにこだわって道を誤ることは避けなければいけない。特にリーダーには、ある種冷たい目も必要だし、組織内部の人に正しい道を示すといった辛い仕事も必要なのですね。これは、仕方ありません。

1 thoughts on “PRESIDENT Onlineの10/6付けBLOGOS記事「『脱炭素はEUと中国の策略』世界一環境に優しい日本の製造業を…」へのコメント

  1. mi.mino

    エネルギー問題は難しい。
    私の所属している会社なら石炭万歳といいたいところ。

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