PRESIDENT Onlineの10/7付けBLOGOS記事「『エコっぽいものに飛びついてはいけない』ひろゆきがSDGsに見向きもしないワケ」にコメントしました。
電気自動車とガソリン車のエネルギー効率について、2017.10.27付けのハフポストが清水浩・慶應義塾大学名誉教授の著書『温暖化防止のために』を引いて、次のように書いています。(図を文章に改めました。)
電気自動車の効率:化石燃料→発電(53%)→送電(96%)→充電(85%)→モータ(80%):計35%
ガソリン車の効率:化石燃料→精製(92%)→輸送(98%)→エンジン・機械損(9.6%):計8.6%
最後のエンジン・機械損で9.6%のエネルギー効率というのは少々低いですが、(同書の筆者がEVの旗振り役という事情にも配慮して)この部分の効率をかなり高めの30%としても、トータル27%で電気自動車に負けます。この大きな差が生じる理由は、小型の内燃機関の効率が30%程度であるのに対し、火力発電の熱効率が50%を超えていることによります。
だから、内燃機関の熱効率が50%を超えるようになれば、あえてEV化をせずとも、EV化と同程度の地球温暖化防止が可能になる。そして、熱効率50%以上の内燃機関もできないわけではない、というのが現時点での状況なのですね。
とはいえ、EVは既に可能な技術で、同じ実用化のレベルで比較すればEVはガソリン車に勝っております。この現状ではEV化に異を唱えることは難しい。一方で、高効率のガソリンエンジンを開発する意義は多分にある、ということも言えるわけですね。何事も、そう簡単な仕掛けにはなっておりません。
慌てる必要ない