ロイターの10/14付けBLOGOS記事「焦点:先送りの金融所得増税、分配政策で曲折 総選挙で争点化も」にコメントしました。
「一億円の壁」解消の簡単な解は、総合課税一本にすることでしょう。マイナンバー制度が機能した以上、これはもはや現実的な解となったのですね。
その代わりといってはナンですけど、企業は利益を配当した際に、その配当を損金に算入するよう法人税制を改めることを提案いたしましょう。これは、個人株主への配当に対し、法人税と、配当所得に対する税金の二重課税になっていることを改めるためです。
現行の税制は、企業が得た配当収入を益金不算入とすることで、企業の持ち株に対する配当に二重課税されることを防いでいるのですが、個人株主には二重課税されている。これは、公平性という面からもおかしいのですね。もちろん、配当金を損金算入するならば、配当収入は益金算入しなければいけないのですが、法人側から見ればどこで課税されるかだけの話で、トータルでは変わりがない。
では個人株主はどうなるかといえば、巨額の配当収入を得ている人は、累進課税ですから、増税になるかもしれない。でも、配当が損金に算入されるとなれば、企業は配当性向を高めることで、実質節税となるわけで(配当性向100%なら法人税はゼロ!)配当を増やす動きに出るはず。株価も上がって経済にはプラスになるはずなのですね。
この制度、トータルで見れば、配当が増えれば株主の方も増税分をカバーできるわけで、丸々損というわけではない。もう一つ、配当が有利となれば、企業は内部留保よりも配当を選択するはずで、社会に回るお金が増えて、景気も良くなるはずなのですね。まあ、こういった効果には、少々不透明な部分はあるのですが、全体として受け入れやすい制度変更ではないでしょうか。
配当欲しい