今回のイラクをめぐる報道で、いくつか偽の情報がマスコミを賑わしました。イラクの情報相は、米軍がバクダッドに入ったことも否定していましたが、これが嘘であることはすぐにわかりました。しかし、情報相の言い分が正しいこともありました。時間が経過して、多くの情報が入るにしたがって、何が嘘で、何が真実であるのか、徐々にわかるようになります。
ネットのボードには、嘘の情報や、意味のないメッセージが多く投稿されています。意味のないメッセージは、ノイズと同様、すぐに捨て去ることができます。嘘の情報は、他の情報とつき合わせて、判断していく必要があります。
ラジオ、最近はFM放送を聴くことが多いのですが、AM放送は、時としてノイズに悩まされます。電波の弱い、遠い局の放送など、ノイズが大きくて、肝心の放送が良く聞こえない場合もあります。夜になると電波の伝わりが良くなるためか、中国語や朝鮮語の放送電波が強くなり、聞きたい局の放送が聞こえなくなる場合もあります。これは、混信と言われるものですね。
アナログ信号は、少々のノイズがあっても、どんな内容かおおよそわかるのですが、デジタル情報は、符号が狂うと、大きな問題となる可能性があります。銀行で送金した額が狂ったりすると困りますよね。
デジタル信号を誤りなく伝えるために、エラーコレクションという技術があります。これは、伝達信号に、誤りを検出するための信号を加えて送信することで、誤りの発生とその場所を検出し、訂正することを可能とする方法です。誤りを除去するためには、余分な信号を送らなければいけません。余分な信号の含まれている率を、冗長度、と呼びます。
不正確な情報が混ざった中から、正しい情報を見つけ出すためにも、冗長度が必要であり、誤りを検出するための手続きが必要です。嘘を発見するのって、機械的なアルゴリズムはありませんので、ちょっとした、経験や知恵が必要になるんですね。
ノイズや嘘の比率が増えてくると、正確な情報伝達のために処理すべき情報量が急速に増加します。通信速度が限られていたり、処理能力が限られていれば、得られる情報は急速に低下してしまいます。さまざまなコミュニケーションの場において、有用な情報を増やすためには、情報量を増やすだけでなく、ノイズや嘘の比率を減らすようにしなければいけないんですね。