政府が行っていることを国民が知ることは、民主主義の大前提です。でも、死刑に関しては、何が行われているのか、その実態は隠されています。
死刑は、人が人を殺すという、倫理的に一番難しいところですから、大いに議論があってしかるべきです。なのに、死刑執行の実態はおろか、いつ、誰を処刑したのかも隠されているんですね。
これはちょっと、ひどい、、、
でも、日本は言論、出版の自由な国、死刑に関する情報も、本から、ある程度は得られます。私が読んだのは、刑務所の元係官が書いた本、凄絶な話です。
絞首刑を受けた死体というのも酷い姿なんですけど、その前がおぞましい。死刑囚といえども、死にたくはない。だから必至に抵抗するんですね。でも、看守も商売、絶対に死刑は執行します。修羅場が展開されます。
こんな気味の悪い本、私の書棚には置きたくないっ!!ということで、立ち読みで済ませてしまいまして、題名も著者も忘れてしまいました。ごめんなさい。
その中に一つ、心に残った話を紹介しましょう。
ある死刑囚が看守に、こう語ったそうです。
「俺は散々悪いことをして死刑になるんだから、超然と処刑されては申し訳ない。だから、処刑の時がきたら、じたばたするから、申し訳ないがそのつもりでいてほしい」
で、いよいよそのときが来て、散々抵抗した挙句に処刑されたということです。
この話、どう解釈しますか? 死刑囚の言い分を文字通り解釈して、感心な奴と、、、私にはどうしてもそうは思えない。
この死刑囚、じたばたして処刑されるような、みっともない真似をしたくなかったんですね。でも、いざそのときになれば、じたばたしてしまうだろうと、、、で、考えた挙句に、看守に吐いた、悲しい嘘だったんですね。看守も、多分、それを見抜いていただろうけど、死刑囚に同情して、黙っていたと、、、
これは、もちろん、私の解釈に過ぎません。皆さんはどう思われましたか?