このブログ、楽天ブログのカテゴリーでは「読書・コミック」に分類しておりまして、まあ、主なテーマは株式投資なのですが、水曜日にはネギま!を読み、日曜日には主に哲学書を読む、晴耕雨読スタイルでやっております。あ、休日は相場はお休み、畑を耕せない、雨天と同様のシチュエーションなのですね。
で、今回取り出だしたります一冊、「臆病者のための株入門」は、文春新書の、税抜き750円とお得な一冊でもあります。
著者の橘玲(たちばな・あきら)氏は、一見初心者風の書き方をしておりますが、実は経済小説でデビューした、この道に詳しい作家・評論家でして、本書の内容も、ページを追うにしたがって、徐々に科学的、論理的な分析となっております。
まあ、一言でいえば、アナリスト不要論、でして、証券会社、銀行、保険会社に騙されちゃいけませんよ、ということ。相場に対峙する3つのスタイルを、目的別に推奨しております。
第一の道は短期間に繰り返し行うトレーディングでして、投資に娯楽を求める人向け。ギャンブルと割り切って、全部すっても良い資金の範囲で楽しむべき道です。ただしこれ、ギャンブルといいましても決してバカにしたものでもなく、競馬などよりはよほど儲かる確率の高いギャンブル、というわけです。
第二の道は、個別株長期投資。バフェット氏のように、企業の財務内容を分析し、内容の割りに安価な銘柄に投資をする、という方法です。
第三の道は、インデックスへの投資。TOPIXや日経平均に連動したETFに投資するやり方でして、統計理論的にはこれがベストであると。
インデックスへ投資する場合も、リスク許容度に応じて、国債とポートフォリオを組む場合から、借金をしてインデックスに投資するレバレッジを効かせたやり方まで色々あります。
更に理想的には、世界全体のインデックスに投資するのが理想的と。この場合、資金の半分は米国のインデックスに投資するほか、その他各国のインデックスへの投資が35%、日本のインデックスには資金の15%しか割かないのがベストであると言います。
まあ、そりゃ理論的にはそうかも知れませんが、機械的にインデックスに投資してしまうのでは、面白みも何もありません。このブログは、私の投資スタイルに合わせまして、第二の道に近い戦略を採用しております。
バフェットのやり方は、財務諸表などから企業の本来価値を見積もり、株価がこれよりも大幅に低ければその銘柄を大量に保有し、株価が本来の価値に近づくのを待つ、というやり方で、ポートフォリオに加える銘柄は多くても10以下。対象企業は堅実経営の会社、ということになります。
私のやり方もこれに近く、資金の半分以上はトヨタに集中。まあ、成り行き上エプソンも保有しているのですが、日本のバリュー投資ファンドでありますさわかみファンドもエプソンを手がけている、ということで、割安銘柄としてのエプソンを手がけることも、道を外してはいない、と考えております。
トヨタに関しましては、PERが14.4倍と東京市場に上場されている株式の中では非常に低く、自動車業界の標準技術となりつつありますハイブリッドの基本特許を押さえているトヨタには、少々低すぎる株価となっているのですね。
で、アナリストの常識では、自動車関連銘柄はPERが低くて当たり前、このセクターの平均PERは低いから、ということなのですが、この常識が実に怪しげです。まあ、過去がそうであった、ということは事実なのでしょうが、日本の自動車産業はいまやハイテク産業で、かつての財閥企業に代わって日本の経済界の中心的役割を果たしているのですね。
産業を支える技術も代わりつつあること、日本の経済界地図も変貌を遂げていること、などを勘案すれば、自動車セクターは低PERが当たり前、という常識は、疑ってかかるべき常識、なのではないでしょうか。
さて、長期投資といいましても、無期限に持つ、というわけでもありません。さしものトヨタも、いずれ売り時が来るものと考えております。これには、次のいくつかのケースがあるでしょう。
・急に人気化して、株価が上がりすぎたとき。・株価の水準切り上げ、業績低迷などにより割安ではなくなったとき
後者のケースでは全面撤退、前者のケースでは部分撤退、と考えております。先の急騰時にも、7,500付近に急騰したら売り、と指値を入れておりましたが、それでも持ち株の半分以下。高値を見極めたいというのが本音なのですね。
で、トヨタ撤退のその先は、同書にもありますように、少なくとも一部の資金は、米国のインデックスに投資することも考えてみたい、と思います。