マクロスフロンティアで学ぶ英会話も、マクロスフロンティアの英語版を鑑賞する、なんて風情となってしまいました。今回も、面白そうなシーンを中心に見ていくことといたしましょう。今回は「マクロスF第23話Lunar版」です。
「Squad Leader, can I ask you one question? 隊長、ひとつ質問があるんですが、いいですか?」
「Shoot. 言ってみろ」
「Are you like really dating Sheryl? 隊長がぁ、シェリルと付き合ってるってのは、まじっすか?」
「What's like this all of a sudden?! いきなり何を言い出すんだ」
「That's the rumor. うわさですよ」
「And that that's the reason you didn't join the SMS desertion. SMSの脱走に加わらなかったのもそのせいだっ、て」
「Private questions are rejected! プライベートな質問は却下だ」
……
「Sheryl-san... シェリルさん、、、」
「Huh? え?」
「Well, well. これは、これは」
「Ahhh! Squad Leader, please get her autograph for me later. あ~! 隊長っ、あとでサインもらってください」
この部分での注目、「まじっすか?」は“are you like really”みたいなのですが、さて、これを覚えておいて、あとで馬鹿にされても私は責任をもちません。その他“all of a sudden”が「いきなり」なんてのは覚えておいたほうが良いかもしれません。
「I had a hell of a time making something up, you know. 大変だったんだぞ、ごまかすの」これは面白いですね。“have a hell of a time”が「大変だ」、“make something up”が「ごまかす」、最後につけました“you know”が「だぞ」ですね。
「Oh? So being with me is something you have to make up an explanation for. へえ~、ごまかさなきゃいけないんだ、わたしとのこと」このシェリルのせりふを見ますと、make something upが「ごまかす」になるという意味が理解できます。つまり、make upは「作り上げる」という意味でして、何を作るのかといえばan explanation、「説明」なのですね。
先ほどのアルトのせりふにありますsomethingとシェリルのせりふにありますsomethingは別のものを指しておりまして、アルトのsomethingは「言い訳」で、シェリルのsomethingは「類のもの」程度の意味であろうと推察されます。
さて、アルトの調理シーンに注意書きが入っております。“Note: This meal is presented in the style of Japanese aristocratic cuisine. That Alto can prepare it likely means he received extensive traning from his mother.”
すごいですねえ、Lunar。ここまで深読みしてこのアニメを見た日本人が、いったい何人ほどいるのでしょうか? 確かに、テーブルの上に並びました料理は非常に手が込んだものでして、日本料理のスペシャリストとしてのトレーニングをどこかで受けていると読むのは合理的です。
まあ、私のようなへそ曲がりは、大根切ってちくわと煮るだけのシーンからこれほどのものができるのは不可解である、などと考えてしまうのですが、、、
「Hey, a toast. Let's toast. ねえ、乾杯しましょ、乾杯」このtoastはオーブントースターなどで焼いたパンのトーストと同じ単語でして、「乾杯」の意味もあります。昔のトースターは、焼きあがったパンが飛び出してきたものですが、これが乾杯のしぐさと似ている、ということでしょうか。で、これには名詞形と動詞形があるのですが、ここではその双方が使われているところ、日本語のせりふと順序が逆に出てくるところが面白いですね。
「To what? 何にだよ」「To whatever. I just want to have a toast. 何でもいいじゃない。とにかく乾杯したいの」「Fine, fine, I get it. はい、わかりましたぁ」
で、いよいよ乾杯するのですが、このときは、当然「Cheers! 乾杯」ですね。
シェリル、グラスに注がれたシャンパンを一気に飲んでしまいます。「Hey, hey, chugging? Seriously? おいおい、一気かよ」「I always dream about this kind of thing. こういうの、ずっと夢だったの」「Huh? え?」「Just talking to myself. Come on, let's eat. ただの独り言。さ、食べましょ」
“chug”は「一気飲み」という意味の米国の俗語。シェリルの脳裏をよぎるのは、幼き日、スラムの孤児であったころの暖かい家族団らんへの憧れなのですね。死に至る病に冒されてのひと時の幸福。切ない話ではあります。
後にアルトには、その時々の感情に流されているだけではないか、との非難が浴びせられるのですが、シェリルとともにいると誓ったアルトの行為は、そうそう簡単に非難されるべきでもないような気がいたします。人にとってもっとも大事なのは、今のこのひと時。まさにアルトはそういう瞬間を誠実に生きている、と私は思うのですが、、、
「With gratitude, I partake! いっただきま~す」“gratitude”は「感謝」、“partake”は「食べる、ご相伴する」などの意味でして、確かにこの全体で「いただきます」という意味になりますね。これは覚えておいたほうが良い言葉かもしれません。
「Oh no way, it's delicious! Geez, you're cheeky for a lowly Alto. やだ、おいしい! ああ、アルトのくせに生意気」この「アルトのくせに」はシェリルの口癖ですが、“you're cheeky for a lowly Alto”となるのですね。ここで、“cheeky”は「生意気な」、“lowly”が「身分の低い」という意味ですから、直訳すれば「身分の低いアルトにしては、お前は生意気である」というわけで「アルトのくせに生意気」という意味になるわけです。
まあ、この言い回しは覚えておかないほうが良いような気がいたします。けんかになったりすると困ります。
そのころランカとブレラははるかかなたの宇宙を航行中です。
「Thank you brera-san. For going along with my selfishness and coming way out here. ありがとうね、ブレラさん。私のわがままに付き合って、こんなところまで」「For a cyborg with no memory, orders are absolute. Executing them was the meaning of my existence. But when I heard your song, something overflowed inside me. Even though I was supporsed to be a fighting machine. This is to give thanks for that. So don't worry about it. 記憶のないサイボーグにとって、命令は絶対。それを遂行することが存在意義だった。だがお前の歌を聞いたとき、俺の中に何かがあふれた。戦闘マシーンであるはずの俺に。これはその礼だ。だから気にするな」
バジェラ母星に接近したブレラとランカの前に、バジェラ防衛部隊が姿を現します。「Are you sure this will work? 本当に大丈夫なのか?」というブレラに「Yup. I am sure it will reach them. Afrer all, it's worked so far. うん、きっと届くと思う。これまでだってやれたんだから」と応えてアイモを歌うランカですが、バジェラはブレラの機体に襲い掛かります。ブレラがハーモニカなど吹いたせいではなかろうか、などと私は単純に思ってしまうのですが、果たして真相は? なにぶん、ブレラのハーモニカに聞きほれて、ランカは歌うの止めておりますからねえ、、、
そのころ、アルトは大統領の部屋に呼ばれます。「Sorry for calling you all this way. 呼び立ててすまなかったな」「No problem sir. いや」「I had him call you, Alto-kun. Did I startle you? That's the expression you've gotten. 僕が呼んでもらったんだよ、アルト君。びっくりしたかな? う~ん、そういう顔している」「A short time ago, a probe detected a faint fold wave. It was determined to be Ranka-kun's song. 先ほど、探査機が微弱なフォールド波を捉えてね。ランカ君の歌だと判明した」
「That's right. It's finally been found. そう、ついにわかったんだよ。バジェラ本星の位置がね」「Why tell me, sir? それをなぜ自分に?」「Because I expect big things from you. In the fight we have to conduct now, I want you to be able to do your job without any reservations. 期待しているからねえ。これから行わなければいけない戦いで、心置きなく働いてもらいたいんだ」「I do not mind fighting. That is what I stayed for. However, there is one thing I would like to ask before that. 戦うのはかまいません。自分はそのために残ったんです。ですが、その前に伺っておきたいことがあります」「What is it? なんだ?」「Is the purpose of this fight to obtain fold quartz? 戦いの目的はフォールドクォーツを手に入れるためですか?」
このせりふの背景には、もちろん、イラク侵攻の理由を問いたい、という意図が隠されているのでしょう。最後のせりふに「石油を手に入れるためですか?」という言葉が透けて見えるのですね。
「But above all, we must first survive. And we must exterminate the Vajera. For the sake of Humanity's future. だが、われわれは何よりもまず、生き延びなければならない。そしてバジェラを殲滅しなければならない。人類の未来のためだ」「Humanity's future? 人類の未来?」「The Vajera are trying to wipe out humans. Using Ranka-kun as a foothold. バジェラは人間を抹殺しようとしているんだよ。ランカ君を足がかりにして」
と、ショッキングな事実が明かされて前半が終わります。この「事実」が、本当なのか嘘なのかこの時点ではわからないのですが、限りなく怪しげではあります。
文字数制限にかかりました。後半につきましては、日を改めてご紹介することといたします。
2016.6.12追記
ご注意:ネット上に公開されているマクロスフロンティアは著作権者に無断で公開されているものが大部分であり、本ブログに掲げたURLの相当部分は既にリンク切れとなっております。原作にご興味のある方は、以下のDVDをご手配ください。
1:第1話収録
2:第2, 3, 4話収録
3:第5, 6, 7話収録
4:第8, 9, 10話収録
5:第11, 12, 13話収録
6:第14, 15, 16話収録
7:第17, 18, 19話収録
8:第20, 21, 22話収録
9:第23, 24, 25話収録
2018.3.2追記:マクロスFで英語のお勉強シリーズです。新しいものから過去に向かってリストアップしています。古くなるにしたがって、内容は貧弱になります。話の筋は逆になってしまうのですが、英語のお勉強をされるのでしたら新しいものからどうぞ。
マクロスFでの英会話、ありゃりゃlunarが、、、10/10
マクロスで英語のお勉強8/21
マクロスで英語のお勉強8/12