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構想:フィジックスとメタフィジックス

これまで「哲学・思想・自然」のカテゴリーでいろいろと書いてきましたが、およそ、収斂してきたといいますか、全体像が見えてきたように思われますので、このあたりで纏めに入ろうかと考えております。

Kindle ダイレクト・パブリッシング

最近は、Kindle ダイレクト・パブリッシングというのがあり、誰でも簡単に出版できるようになりました。

ブログで書いておりましても、これを読んでくださるのは限られた人々で、あまり反響がない。まあ、Kindleで出したといっても、個人の出版物など、そうそう読まれるとも思えませんけど、それでも、ブログを読まずにKindleだけ読む読者だっているはず。

ここでまとめを行うなら、まとめた文書は、ブログとは別の形で出すのも一興かと思い、ちょっとトライしてみることにします。

一応、Kindleで出す以上、同じ内容をブログに書くわけにはいきませんが、このブログがコミュニケーションをテーマとしており、Kindleも優れてコミュニケーションの技術ですから、これに言及しないのもおかしな話です。

そこで、最終的な文書はブログに掲載しませんけど、これを完成させるに至る、内容の推敲や手続き的なやり方に関しましては、このブログに書いていくこととします。

表題

本は表題が命で、ここは大いに捻りたいところではありますが、仮に、「フィジックスとメタフィジックス」としておきます。これは、表題の読みで、実際の表題は漢字で「自然学と形而上学」と書くようにいたします。

まあ、読みはギリシャ語の方が格好が良いのですが、あまり格好が良すぎるのも嫌味ですし、意味を理解してもらえない可能性もありますので、ここは多くの人が理解できる英語を使うこととします。

このやり方、「頭文字(イニシャル)D」を踏襲しているのですが、わかってもらえますかね。無理かなぁ。

第1章:デカルトのコギト

まずは、デカルトを大いに持ち上げ、コギトの論理を解説します。

この部分はコギトの論理、再考に述べた内容で、以下を中心に記載します。

  • コギトには主語が書かれていたこと:ラテン語の原文の写真を示せば一発です
  • ラテン語で一人称に主語を付けるのは、主語を強調する場合であること
  • 元カレと喧嘩した!:意味論的前提
  • 語用論的前提:先験的自我について
  • 「ゆえに」の用法

第2章:主観と客観

先験的自我と客観との関係について論じます。この部分は、以前のブログ「主観と客観:情報システムの中の世界」で論じた内容で、以下の内容となります。

  • 先験的自我の中に外界に対する知識があること
  • 確からしい仮説としての外界の存在
  • 私の脳が作る世界とその中にある外界のイメージ
  • 人間社会という知的システムと社会がもつ知識
  • 客観とは何か:科学はなぜ成り立つか
  • 三つの世界

第3章:人の知的能力

ここでは、理性と悟性、および感性に関して議論します。この部分は以前のブログ「ディオニュソスと三つの知性」や「“対論「炎上」日本のメカニズム”を読む」あたりを広げて書けばよいのですが、無意識の存在と構造主義にも言及が必要なところでしょう。

第4章:時間と空間

ここは、「虚数時間の物理学」というテーマで散々論じてきたところで、まとまったページとしては「虚数時間の物理学:ローレンツ変換とミンコフスキー空間」があります。

ここは、あまり虚数時間を追求すると嫌味になりますので、以下のような議論の進め方が良いのではないかと思います。

  • 空間を座標の形で数値表現することをなんとあのデカルトが考え出したこ
  • 直交座標系を基底ベクトルの線形結合のかたちで書き下す
  • もう一つの座標化:基底ベクトルとのスカラー積
  • ベクトルのスカラー積と計量テンソル
  • 時空と虚数時間:詳細な議論は付録に回す
  • 時空をスライスする観測者

で付録の部分では、ローレンツ変換とミンコフスキー空間の関係を数式で説明し、計量テンソルの時間項の問題、状態ベクトルの時間反転操作で共役になることなどから、虚数時間がよりシンプルな扱いであり、天動説と地動説の関係に対応している旨を説明します。

第5章:自然学と形而上学

これまで書いてきたことは、従来哲学者が扱う「形而上学」的議論だけど、人の世界認識という点では自然学の基礎になっていることを説明します。

そして、先験的自我の内部に構成される外界に対する知識こそが、自然学の対象であること、学問は知り得る事柄しか扱えないことを説明し、量子力学の多世界解釈やコペンハーゲン解釈とよく整合する旨を記述します。

このあたりは「「ハイゼンベルクの顕微鏡」を読む」でも議論しているのですが、ここをあまり強く推すと世間の理解が得られませんので、こんな可能性もあるよ、程度の押し方にしておこうかと思います。

まあ、将来に余韻を残すような書き方、ということですね。

計画

以上、5章構成で、各章2万字とすれば、合計10万字の文書ができる計算で、400字詰め原稿用紙500枚程度の簡単な書物ができそうです。

ここは、文章を増やすよりは、要点を簡単に読み取っていただくことを旨とすることで、ページ数が少ないことはむしろ良いことであると考えたいと思います。

目先はかなり忙しいのですが、夏休みなどもありそうですから、年内目標程度で一つ、文書を作ることといたしましょう。経過につきましては、差し支えない範囲で本ブログでご報告いたします。ご期待ください。