城内実氏の6/8付けBLOGOS記事「解雇・雇止めの増加 厚生労働省発表」にコメントしました。
| 手続きが複雑であったり支給まで時間がかかったりしているとのお声を頂いて
こういうことは最初から考えておかなくてはいけません。
老子に「建徳は怠るが如し」という言葉があります。なかなか含蓄のある言葉ですので、以下に一節を引用いたします。
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難(かた)きをその易(やす)きに図(はか)り、大をその細(さい)に為す。天下の難事は必ず易きより作(お)こり、天下の大事は必ず細より作こる。是を以って聖人は、終(つい)に大を為さず、故に能(よ)くその大を成す。
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つまり、問題が大きくなる前に手を打っておけば、問題は簡単に解決する。できる人は、大した仕事をしていないように見えるけれど、実は大きな仕事をしている、ということですね。
今回の問題にあてはめれば、手続きが煩雑だったり、時間がかかったりするなどは事前にわかることだから、最初から手を打っておけば、対象者からクレームが来ることはないわけで、担当者はゆったりと仕事ができて、はたからはさぼっているように見えるけれど、実は立派な仕事をしているのだ、ということですね。
どんな仕事をする人も、建徳の人と呼ばれるよう、頑張りましょう。
この引用部、よく見ますと「為す」と「成す」を使い分けていますね。「為す」の方は「行為」などにも使われている文字で、実際に体を動かして何かをすることを意味し、「成す」の方は出来上がった結果、「成果」を意味するわけですね。
なるほど、ばたばた動き回るのが「為す」で、良い結果を出すのが「成す」。仕事で大事なことはばたばた動き回ることではなく、結果を出すことであるわけですから、何をしなくてはいけないかはおのずとわかるはずです。
もちろん、無能な上司からは、ばたばたと動き回っている人が熱心に仕事をしているようにみえてしまう、ということはあるのかもしれませんが、、、
なぜ遅いのだろうね。
よく、逆説の日本史で井沢元彦氏は(言霊)というものを言っているが、いまだそれにとらわれているという点がとてもなっとくいく。言霊というのは、悪いことを言う(ことあげする)と実際に悪いことが起きるといういう怨霊宗教だ。日本古来の。
アメリカ人はキリスト教を信じているが、日本は日本の神教を信じている。
人は死ぬ運命にある以上、宗教から解放されることはない。