吉田喜貴氏の6/14付けBLOGOS記事「暴落はなぜ起こるのか?」にコメントしました。
ノーバート・ウィーナーは、手の震えとサーボ系の振動が同じメカニズムによると主張してサイバネティクスという学問分野を打ち立てました。
相場の変動も、似たようなフィードバック系の振動で記述できるようにも思われますが、こちらは雪崩現象を伴う複雑系であるというのが前世紀の終わりごろに定説となっております。
で、市場の問題は、上昇過程で投資し、下降過程で資金を引き揚げる「順張り」が多く、プログラム売買もおそらくは順張りの比重が高いことではないかと思います。
順張りが多い場合、買いが優勢であれば相場も上昇し、その結果買いがさらに優勢になるという、正帰還が発生する。これはどこかで飽和に至り上昇が止まると、今度は売りが増加し、売りが売りを呼ぶ暴落過程へと転じるのですね。
相場参加者には順張りの他に逆張りというやり方があります。これは、安ければ買い、高ければ売るという、ごく普通の投資スタイルなのですが、市場参加者の主流ではない、ということなのでしょう。
逆張りは基本的に負帰還ですから、これが多ければ市場は安定する。でも、プロの投資家も、デイトレーダも、あまり逆張りはせず、順張りが大勢を占めているために相場が不安定になるということなのでしょう。
逆張りについては、村上ファンドの村上氏が裁判の場で「ファンドなのだから、安ければ買うし高ければ売るのはあたり前」と、至極当然のことを語ったのですが、裁判官は「このような徹底した利益至上主義には慄然とせざるを得ない」とこれを批判しております。
これは、市場というものを真っ向から否定する姿勢なのですが、このような裁判官が存在とすること自体に、「慄然とせざるを得ない」と感じてしまうのですね。
ともあれ、目立ちはしないのですが、逆張りのファンドも存在する。多分彼らの動きが、上昇過程と下降過程のスイッチをひき起こしているのではないかと思います。
まあわたしも逆張りスタイルやね。
但し、国の補助金が入っている会社に限る。