幻冬舎plus(加谷珪一氏)の6/29付けBLOGOS記事「『駐在員が住みたい国ランキング』33カ国中、日本32位の衝撃」にコメントしました。
90年代後半の日本の競争力の急激な低下は、インターネットに代表される情報技術の進展に日本社会がうまく対応できなかったことによるのでしょう。
その理由は、我が国の経済が80年代に非常にうまくいっていたために、新しい体制に切り替えにくかった。逆に、日本に遅れをとった先進国と元々のシステムが未成熟だった発展途上国(つまり、日本以外のぜんぶ)は、この流れにうまく乗ることができたのでしょう。
この時代は、たまたまバブルの崩壊と時を同じくしてしまったために、問題の本質が分かりにくいのですが、日本のバブル崩壊に似た現象は他の国々でもあった(ドットコムバブルの崩壊など)けど、みんなこれから回復していることに気付かなくてはいけません。
バブルの崩壊は、景気の波の一つにすぎないから、時間がたてば回復するのですが、社会の基本システムと新しい情報技術とのアンマッチは、その社会の基本的な弱さであり、自然に回復するということはあり得ない。
これが「失われた10年」が「失われた20年」になり、さらには「失われた30年」「失われた40年」と伸びていく理由なのですね。
で、この情報環境にマッチしない社会制度と経済的な低迷が、ビジネスマンたちに日本が嫌われる理由でもあるのでしょう。
これ、どこかで切り替えないと(日本人にも)マズイ、のですが、、、
ではリーダの質とは何か。それは先を見通して投資する方向を選ぶことだ。
たとえばコマツを考えてみよう。
コマツは建築機械にITを取り付けて居場所をわかるようにした。
実はこれを一番最初に商品化したのはコマツでなく日立建機である。
違いは何か?
日立建機はこれをオプションとしたが、コマツはスタンダードにした。
つまり最初からついている状態にしたのだ。その分コマツの建機は高いが、日立建機はあくまで建機を売ろうとした。
しかしコマツは情報機器として売ることにした。
これを決定するのが違いとなり、これがリーダの仕事である。
これは一言では言えないね。
更にITが遅れているのも一つ。
他に英語がほとんど通じないというのは大きな理由だろう。
でもやはり、賃金が労働者のレベルの割に低いというのは大きな原因のひとつだろう。
>>デービットアトキンソン氏によれば、世界経済フォーラム(World Economic Forum 2016)の「人材の質」ランキングによると、日本の労働者の「人材の質」はOECD諸国で第4位です。
1位フィンランド、2位ノルウェー、3位スイス、5位スウェーデンと、北欧の福祉国家の小国が上位に入り、主要国ではカナダが9位、ドイツが11位です。G7の主要国では日本がトップです。
言うまでもないがドイツを比べてもダントツに強いのが日本のろうどうしゃであり、にもかかわらず能力主義などを導入して失敗してきたのが平成時代なのだ。
いくら労働者側を改善して効果を上げようとしても、すでに変えるところがない。99点を常にとっていれば、改善には1点しかない。
一番の問題はリーダの質なのであって、中小零細が多すぎることに問題がある。
リーダの質は40点以下なのであって、この赤点をとっているのをどんどん外していくしかないのだ。